陶器容器作成の流れ

陶器容器は成形や焼成を行い、商品となって出来上がります。陶器容器が出来上がるまでの工程を説明いたします。

①陶器の型の作成

陶器容器を生産する際、最初に容器の素地の作成を行います。その際に素地を抜く「型」が必要になります。陶器の型は他の業界の型とは異なり、使い捨ての型を使用しています。その為、型を作るための型を作成しなければなりません。1つの形状の陶器容器を生産するには①原型(元の型)・②ケース型(使用型を作成するための型)・③使用型(実際に陶器容器の素地を抜く型)の3つの型を作成しなければなりません。使用型の準備ができた段階で初めて陶器容器の生産に取りかかれます。

     ①原型             ②ケース型            ③使用型

②成形(素地の作成)

使用型に陶器容器の素地となる陶土を流し込みます。陶器の型は石膏で出来ており、石膏は水分を吸収する性質を持っている為、石膏の中に水分が入ろうとすると水に溶けている陶土は石膏に入り込めず、型の内面に陶土が付着していきます。一定時間おいた後、余分な陶土を抜き、使用型を割ってみると成形された陶土、すなわち陶器容器の素地が出来上がります。出来たての素地は非常に柔らかい為、約1日乾燥させます。

   鋳込み成形(約20分)        生素地の完成         生素地を約1日乾燥

③釉薬塗り、印入れの作成工程

乾燥させた素地を約800℃で5時間程素焼きをし、素地の表面をカリカリに仕上げます。現段階では色も印も施されていません。これから印字や釉薬を塗り、焼成前の最終加工を施します。印が手書きの場合、素地に直接筆で書き込みます。

 素焼き(約800℃で5時間程)      手書き印入れ風景                   素地に釉薬塗り

④焼成工程

焼成前の全ての工程が終了したらいよいよ本焼き(約1280℃)に取りかかります。窯に素地を綺麗に並べ、棚が組み上がったら窯に入れ約1日かけて焼成します。焼成後は窯の中の温度と外気温の温度差があり、じっくりと温度を下げ、窯から出して商品完成となります。窯出した商品に上絵付けの加工(転写付け)がある場合は、転写貼りや金付け等の加工を施し、絵付け窯で再度焼成(750℃~800℃)します。

 本焼(約1280℃で20時間程)      窯出 商品完成      上絵付け窯(750℃~800℃)

①~④の全ての工程を踏んでやっと陶器容器の完成となります。その後、当社にて最終検品、梱包を行った後、出荷されます。

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